サンフランシスコに住んでいたときは、毎週末、エコバッグをたくさん持ってスーパーマーケットやファーマーズマーケットに出かけていました。気に入った場所が目的別にいくつかあって、わざわざそれぞれの店のオリジナルのエコバッグをいくつか揃えて、持参したものです。ところが、周りを見渡すと、地元の人たちは、どのスーパーマーケットのエコバッグだろうとお構いなし。会計の際に、レジでエコバッグを広げるのですが、競合するスーパーマーケットのものを堂々と手渡し、店のスタッフも気持ちよくそれらを受け取り、バーコードを読み込んだ商品を中に詰めていきます。
ロンドンには、最近まで妹家族が住んでいました。郊外の住宅地だったため、いつも車で、郊外ならではの巨大なスーパーマーケットへ。私も滞在中は同行します。車のトランクには、10近くのエコバッグが積まれています。こうしておけば、いつでも思い立った時にスーパーマーケットやファーマーズマーケットで買い出しができるのだと、話していました。
そんなわけで、エコバッグは気が付くとどんどん増えていきます。それぞれの店のオリジナルというレア感がありながら、比較的手頃な値段で手に入ること、また、お洒落なデザインのものが多く、買い物以外でも、〝外しの〟ファッションアイテムとして取り入れたり、家の中で収納ツールとして活用することもできます。そうそう、旅のスーツケースにいくつかしのばせておけば、帰りに荷物が増えたときに、重宝しますしね。だから、レジ回りに新しいデザインのものが出ていれば、迷わず手に入れ、気がつけば、たくさんのストックが手元にあるというわけです。
かつて、ある料理研究家の方が、私のサンフランシスコのアパートメントに遊びにいらした際に、たくさんのエコバッグがあるのを見てこうおっしゃいました。「エコバッグを所有するのは4つまでと決めている。それで十分なはずなのよね」。なるほど。新しいものを手に入れたら、古いものを捨てて、新陳代謝させるといいのかもしれない。いや、それができるのかどうか、それが問題なのだけれども。
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