ビンテージスカーフとの出会いを楽しむ

ビンテージスカーフとの出会いを楽しむ

 海外でも、日本でも、蚤の市や骨董市へ出かけるのは、もはや趣味を通り越して、ライフワークになっています。それぞれのマーケットには得意分野があるように感じていますが、私自身もそのときの気分で、アンテナを張るアイテムが異なります。例えば、60年代の西洋のテーブルウエア、昔のポストカード、エアライングッズ、それから、日本の剣先グラスや年季の入った漆器など。そんな中、毎回、必ず時間をかけて品定めをするのが、ファッションアイテム。特に、グラフィックが楽しいレトロなスカーフです。
 ビンテージスカーフは、トルソーに同じく昔のデザインのワンピースと一緒にディスプレイされていたり、1枚ずつセロファンの袋に収められていたり、はたまた大きな籐のかごの中にざっくりとたくさん入っていたり……売り場での扱いも、そして価格もさまざま。とにかく第一印象を頼りに、グラフィックや質感が好きなもの、これは持って帰りたいと合格印のついたものは、一期一会を大切に、できるだけ手に入れるようにしています。
 こうして手元に集まってきたスカーフたちは、日常生活の中でさまざまに活躍してくれます。大きなものはストールにしたり、細長いものは首に巻いたり、また、小ぶりのものはバッグの持ち手に結んだり、くるくると巻きつけてもいいです。それから、部屋の中でパーテーションなどにかけておけば、空間をたちまに個性的な表情に変えてくれます。
 ところで、蚤の市や骨董市で見かける人のファッションに注目したことはありますか。私は、毎回、その着こなしにはっとさせられる人に出会っているような気がします。そして、彼ら彼女らの共通点は、古いもの(あるいは古いもの風のもの?)をどこかにアレンジしていること。スカーフはもちろん、コートだったり、バッグだったり、ブローチだったり。古いものとの出会いを楽しんでいる、そんな粋なコーディネイトなのです。

(写真・上)サンフランシスコ・ベイエリア、アラメダのアンティークマーケットの風景

色も柄もいろいろなビンテージスカーフ